2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

クリストファ・ワイリー『マインドハッキング』の読後感

SFの愛読者が本書を読むと、その多くはアイザック・アシモフの古典、『ファンデーション』のシリーズを思い出すだろう。 ただし、大きな違いがある。歴史心理学者(アシモフの用語。彼がこれを執筆した頃には心理学はまだ個人の真理を対象にした学問にとどま…

今日のNHK杯準決勝

井山と余正麒の対戦。黒番井山優勢で進行したが、途中で緩い手が出て、白番、一目半の勝利。 コロナ休場後の一時期の井山はまさに魔王の趣があったが、さすがに疲労がたまったのだろうか。 解説は趙治勲。この人、自由闊達で面白い。しかし、振り回される星…

マルクス・ガブリエル、中島隆博『全体主義の克服』の読後感

全体としてみれば、彼らの博識は驚異的だ。本書ではじめて知ったことは多い。しかしかなりの箇所においてやや極端に走りすぎているような印象も受けた。 本書を読んで特に驚いたこと ハイデガーとハーバーマスへの激しい批判。ハイデガーもハーバーマスも読…

マルクス・ガブリエル『新実存主義』の読後感

正直なところ難しかった。特に第1章、「新実存主義--自然主義の失敗のあとで人間の心をどう考えるか」は難解だった。 しかし本書は、ガブリエルの本論である第1章に加えて、「新実存主義」への4人の哲学者のコメントと、それに対するガブリエルの反論、す…

NHK杯、張栩=村川戦

12時半からNHK杯の張栩vs.村川大介を観戦。張栩優勢かと見ていたが最終局面で張栩のプロらしからぬミスが出て、村川9目半の勝利。