2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

堀田善衛『バルセロナにて』

「バルセロナ市は、1992年オリンピックのゲームを主催することになってい、市はその準備に大わらわである。けれども、誰も、半世紀前の、ヒトラーのそれに対抗しての、バルセロナ労働者オリンピックのことなど、私の知る限り、このバルセロナにあってさえ覚…

『方丈記私記』

堀田善衛『方丈記私記』(ちくま文庫、224ページ) 「この時代の兼実の玉葉日記、定家の明月記に、もっとも情熱を込めて書かれてあることは、世の移り変わりでも何でもありはしない。それは宮廷の、儀式、典礼、衣装、先例、故実、行列の順番、席次など、ま…

定家明月記私抄続編(堀田善衛)

定家明月記私抄続編。(堀田善衛) 「吾妻鏡によって。鎌倉幕府の日常を眺めていると。いかに武家による。国家統治の草創期であるとはいえ。これほどにも血生臭い。政府というものは、世界史にも稀なのではなかったか、と思われてくる。政権は、ほとんど連続…

堀田善衛『定家明月記私抄』

堀田善衛『定家明月記私抄』ちくま学芸文庫、68ページ「和歌とは何。それは、要するに、こたえる歌の意なのであり、それが原意である。つまり近、現代的な独立した一種の詩歌という意は原意には添っていないのである。それは常に応答、交換を期しているもの…